問い合わせメール返信、AIで作業時間を半分以下に

「問い合わせメールを返しているだけで、午前中が終わってしまう……」
料金表や過去のやり取りを探しながら1通ずつ返していると、本来の仕事になかなか手がつきませんよね。
実は、返信に時間がかかるのは「書く」前の準備です。
本記事では、その準備をAIに任せて1通あたりの作業時間を半分以下にした事例をもとに、仕組みと始め方を解説します。
問い合わせメールの返信に時間がかかる3つの理由
返信の時間の多くは、文章を書く前の「担当を決める」「答えを探す」「人による違いをそろえる」に使われています。
info@ のような共有アドレスを複数人で見ていると、「誰かが返すだろう」と思ったまま止まるメールが出てきます。担当が決まっても、「先月お見積もりした件で」と書かれていれば過去の見積書を探すところから始まり、1日20通なら調べものだけで1時間を超えます。
さらに、どの資料を見てどう答えるかが担当者の頭の中にあると、返す内容が人によって変わります。お客様から「前回と言っていることが違う」と言われる原因にもなります。
問い合わせメールの返信でAIができること
AIには担当の振り分けと、自社の資料をもとにした下書きまでを任せ、確認と送信は人が行います。
前の章の3つの理由は、どれも「書く前の準備」で手が止まっていることが原因でした。AIはちょうどこの準備の部分を引き受けられます。
| 工程 | AIが担当すること | 人が担当すること | 解消できる悩み |
|---|---|---|---|
| 振り分け | 内容を読んで種類と担当者を決める | 振り分けのルールを決める | 誰が返すか決まらない |
| 要約 | 要望と期限を3行にまとめる | 優先順位を決める | 長文を読む時間 |
| 下書き | 自社の資料をもとに返信文を作る | 内容を確認し、必要なら直す | 答え探し・人による違い |
| 送信 | 行わない | 最終確認をして送信する | − |
振り分けと下書きはAI、送信は人
件名が「昨日の件」でも、本文に数量と希望日があれば、AIは見積もり依頼と判断して営業の担当者に通知できます。下書きは「30個なら単価はいくらか」まで書き込んだ状態で出てくるので、決まった文章を差し込むだけのテンプレートより手直しが少なく済みます。
ただし、AIは資料にない内容をそれらしく書いてしまうことがあります。「資料にないことは書かない」というルールを決め、宛先・社名・金額を人が確認してから送りましょう。送信前のチェックをAIで補助する方法は、メール誤送信をAIで防ぐ手順で紹介しています。
製造業の事例:1通あたりの作業時間が半分以下に
Mawaasが支援した製造業の会社では、1件あたりの対応時間が約8.6分から3.7分になりました。
製品の仕様についての問い合わせが毎日届く会社です。業務を聞いていくと、困っていたのは次の2つでした。
- 担当を決める管理者が不在や忙しいときは、誰が返すか決まらず止まってしまう
- 答え方を知っている人が限られ、人が変わるたびに教えるのが大変
そこで、AIがメールを担当者に振り分け、社内のデータベースから下書きを作る仕組みにしました。製品と部品の組み合わせが多くFAQにまとめきれなかったため、既製ツールではなく社内データとつなぐ形にしています。
問い合わせメールの返信に使えるAIツール
使えるAIツールには「メールソフトのAI機能」「問い合わせ管理ツール」「自社専用の仕組み」があり、窓口の人数と参照したい情報で選びます。
1〜2人で返信しているなら、Gmail の Gemini や Outlook の Copilot で下書きから試せます。ただし振り分けはしないので、info@ を数人で見ている窓口なら、Re:lation やメールディーラーのような問い合わせ管理ツールが向いています。
事例の会社のように在庫表や過去の見積もりを参照したい場合は、自社専用の仕組みが必要です。費用の目安はAI導入費用の目安と予算の決め方で紹介しています。
AIに任せてよいメール・人が返すべきメール
答えが資料に書いてあるメールはAIの下書きに向き、相手の気持ちや会社の判断が絡むメールは人が返します。
料金や納期の質問はAIの下書きで速く返し、お叱りや契約の相談はAIに要約だけを任せて人が自分の言葉で返します。浮いた時間を、本当に大切な対応に使えるのがこの分け方の利点です。
問い合わせメールのAI返信を始める4ステップ
件数の多い2〜3種類のメールから始め、直した内容をナレッジとしてためていくと無理なく定着します。
- 届いたメールを種類ごとに数える:「料金の質問が40件、見積もり依頼が25件」のように1か月分を数えます
- AIに任せるメールを2〜3種類選ぶ:件数が多く、答えが資料にある種類から選びます
- ツールを選んで資料を登録する:料金表やFAQを最新にし、「税別で案内する」などのルールも決めます
- 直した内容をナレッジとしてためていく:大きく直した下書きを週1回見返し、答えをFAQに追加します
ナレッジがたまるほど下書きは自社の答え方に近づき、人によって答えが違うという悩みの解消にもつながります。業務を1つに絞って始める考え方は、中小企業のAI導入で最初にやるべきことでも紹介しています。
こんなときはMawaasにご相談ください
この記事で紹介した内容は、自社でも進められます。次のような場合は、相談すると早く進みます。
- info@ を複数人で見ていて、担当の振り分けから整えたい
- 在庫表や過去の見積もりを参照して、返信の下書きを作りたい
- どのメールからAIに任せるか、整理から始めたい
相談は無料で、仕組みは月額5万円からです。Mawaasは中小企業向けに、AIのコンサルから伴走支援、開発までを1社で行っています。
相談の前に準備しておくことは、生成AI導入の相談先の選び方も参考にしてください。
まとめ:担当決めと答え探しをAIに任せよう
問い合わせメールの返信に時間がかかるのは、担当を決め、答えを探し、内容をそろえるという「書く前の準備」があるからです。この準備をAIに任せ、人は確認と送信に集中すると、事例のように1通あたりの作業時間を半分以下にできます。
まずは直近1か月のメールを数え、件数が多く答えが資料にある2〜3種類から始めてみてください。
よくある質問
AIに返信を全部任せて自動送信できますか?
技術的には可能ですが、おすすめしません。下書きまでをAIに任せ、宛先・社名・金額を人が確認してから送る運用が安心です。
お客様のメールをAIに読ませても大丈夫ですか?
入力した内容がAIの学習に使われない設定や契約になっているかを、導入前に確認してください。AIに渡さない情報を社内で決めておくと安心です。
ITに詳しい担当者がいなくても使えますか?
既製ツールであれば、FAQや料金表を登録し、書き方のルールを日本語で入力するだけで使い始められます。社内のデータとつなぐ段階になったら、外部に相談するのがおすすめです。
どのくらいのメール件数から効果がありますか?
同じ種類の質問が1日に数件以上届いているなら、効果を感じやすくなります。件数が少ない場合は、FAQや返信テンプレートを整えるだけでも時間を減らせます。